最近、すこし、「上から目線」になってるかなーと、気になっています。
なんかコイツえらそー、って思っちゃった方、失礼しました。
海外で日本語、それも家庭をベースにした継承語としての日本語、を考える時に、考える材料としての情報があまりにも足りない、と思うことがいまだに多いのです。私自身の経験は、ささやかな一個人のさささやかな経験に他なりません。情報としての価値も、ほとんどないのかもしれません。ですが、そんなものでも、もしかしたら今、こうしてネット上で情報を探している誰かのお役にたつこともあるのかしら、と、なんだかそんな感じで、書いています。
だって、言葉って伝えてゆくものでしょ?
私が経験したことを子どもに伝えてゆく行為そのものが、言葉を醸す材料でもあり、言葉を使う理由でもある。私が経験したことをネットを通じてあなたが受け取ってくれるのならば、そしてそのことがあなたの役に立つのかもしれないのならば、それこそが、言葉が言葉として存在しうる意味、言葉たる所以のような気が、するのです。
ああまた、わけわからないこと書いちゃった。
さて。
すごく沢山の経験があるわけではないのですが、過去9年間、それなりに人に会い、ニュージーランドで育つ日本の子どもたちの色々な事例を見せていただいてきました。
バイリンガル、継承語維持の道はことのほか険しいなあ、と思ってしまうのは、やっぱり、親の意思に反した結果になってしまい、そのことを親自身が受け入れきれていない場合です。多いのは、子どもの日本語が思ったように伸びず、子どもの反抗にあったりもして、親が自分自身に言い訳しながら諦めてしまうケース。
こういう場合によく言われるのは「親子間のコミュニケーションが断絶しやすい」という、脅し文句に近いもの。だけど、そういうケースには、実は出会ったことがありません。子どもたちが日本語を話さなくなっても、それはそれで親子がきちんとつながっている例の方が、多いくらいです。
日本に住む日本人の家庭でだって、親子の断絶なんてよく起こります。
だから、このことをことさらに怖がる必要は無いのだと思います。
自分の気持ちを伝える手段は、言葉だけではありません。
でも、そうは言っても、手っ取り早い道具として言葉が使えないことの影響は、たぶん、小さくはないと思います。残念だけど、言葉ほど便利に、手軽に使えるコミュニケーションツールは、今のところ他にありません。それに、継承語教育、とは「子どもが嫌がったらやめてもいい」もの、習い事と同列に並べられるものなのでしょうか。親が諦めてしまったときに失うものは、コミュニケーションツールとしての言葉、だけでしょうか。
海外で親になったり、これから親になる予定があったりするならば、家庭内でのコミュニケーション手段としての言葉の方針は、10年、20年というスパンで持っていた方がいいのだろうな、と思います。特に、家庭内に二つ以上の言語が存在する場合、
あなたと配偶者、
あなたと子どもたち、
配偶者と子どもたち、
家族全員、
家族全員+配偶者側の家族
家族全員+あなた側の家族
など、様々な状況でのコミュニケーション手段としてどの言葉を選ぶか、周囲とある程度のコンセンサスをとっておいた方がいいのだと思います。
親が諦めてしまうことの原因の一つには『思ったように行かない』、つまり10年先のことが見えない、という事実があると思うからです。あなただけでなく、周囲の人々にとっても。
見えないものは見えないのです。だから、先々のことをやたらと不安がる必要は、ないと思います。
ただ、将来起こりうる不測の事態に対して準備出来るものは『方針』くらいしかない。それも事実です。そして『方針』さえしっかりしていれば、ひとは意外とぶれないものです。
私自身は国際結婚をしていませんし、自分が『言葉系』の人間ですから、息子と日本語で会話するのはあまりにも自然なことでした。ですから今も、ニュージーランド人の友達の前でも、息子とは日本語で話します。ですが中には、この私の姿勢を嫌う人もいます。
「日本語なんて教えてなんになるの、英語を教えなさいよ」
と面と向かって知人に言われた時には、さすがに凹みました。
これは、他人にいわれたことですから、凹みはしましたけれど私自身の信念に影響を与えるほどの強さは、ありませんでした。でも、同じことを例えば配偶者にいわれたり、家族にいわれたりしたら、その影響力は私の場合とは大きく違うでしょう。
だからまあ、はっきり言えば、子どもたちに日本語を伝えたいと思うのならば、周囲も巻き込んである程度「根回し」しておいた方が、自分自身もぶれないし後々穏やかかもしれないよ、ということです。
「根回し」の方法も、いろいろありますよね。
バイリンガル教育に関するポジティブな情報をいっぱい散らかしておく、とか(この手の考え方は現在のトレンドですから、ネットを叩くと英語でもたくさん出てきます)、日本のいいところをいっぱい紹介して、日本というあなたのバックグラウンドを「かっこいい」というイメージに仕立てておく、とか。折り紙とかポケモンとか巻き寿司とかも、結構使えるツールですよ。