Category: こどもべや

9月 29th, 2009

海外で日本語・言葉の変遷、息子の場合

息子は8歳半です。

生まれてから5歳までは、ほぼ日本語だけで育ちました。幼なじみも、ほぼ全員が日本人または家庭内日本語の国際結婚家庭の子どもたちでした。

5歳で現地校に入り、5歳後半から、英語の友だちが出来はじめました。
始めは、カタコトの英語または単語でコミュニケーションしていました。当時の息子は「サイレント・ピリオド(かん黙期)」に近い状態にあり、学校や英語を必要とする環境では、とても口数が少なかったのです。ですから、友だちとの遊び方もきわめて受け身的でした。

口数が増えて来たのは、7歳前後からでしょうか。日常のコミュニケーションにはほぼ問題がなくなり、友だちに対してある程度の自己主張を出来るようになったのもこの頃でした。この頃から、日本人の幼なじみとも英語まじりで遊ぶようになりました。ただ、大人や日本語優位の子が介入すると、日本語に戻っていました。

この頃までは、まだ、長期休み明けや日本へ帰国したあと学校に戻ると、英語が出ないことがよくありました。6歳半の夏休み、明けてみたら英語のアウトプットがすっかり減っていて、自信もなくしており、本当はそこで進級の予定だったのを学校に話して遅らせてもらいました。7歳2か月で5週間日本に帰り、日本の小学校へ体験入学したあと、息子はニュージーランドの学校の教室に入れず、2日間自宅待機しました。

今年は、日本人の幼なじみとも完全に英語だけで遊ぶようになりました。私が割り込んで日本語で一緒に遊ぼうとすると、見せつけるように、あるいは対抗するように英語で遊びはじめます。あるいは、すっと離れていってしまいます。

まあ、喜んでいいことでもあるんですけどね。それだけ、英語での表現力が伸びた、と言うことですから。

でも、なんか、ちょっとさびしいなあ。

子どもたちが英語を覚え始めるのは、遊びからです。
日本語を忘れ始めるのも、遊びからです。

友だちの比重が大きい『遊び用語』のインプットは、どうしても英語に偏るからです。そして子どもたちは、英語で入って来たことを日本語にしてアウトプットすることが出来ません。これがどうしてなのかは、私もまだわかりません。ですが、そうであることは経験的に明白です。

8歳、9歳、『ギャングエイジ』と呼ばれる時代になると、子ども同士の遊びに大人が割って入ることは、案外困難になってくるのですね。ですから、あそび、という環境の中で使う言葉は、圧倒的に英語になってゆく。

仕方ないことです。

でも、だからこそ『ギャングエイジ』を迎える前に、親や周囲の大人にたっぷりと、たぶん日本に住む子どもたちよりもたっぷりと遊んでもらい、遊びのための日本語を貯めておくことが、必要なのだと思います。その言葉の貯金が、その後の『学びのための日本語』を育ててゆくのだと思います。

小さいお子さんをお持ちの方、そしてそのお子さんと一生、日本語で話していきたいと思っている方、どうぞ、たくさんたくさん、子どもたちと日本語で遊んであげて下さい。お皿が汚れていても、洗濯物がしわくちゃでもいいではないですか。そして、子どもたちの言葉の水鉄砲に、沢山の日本語をインプットしてあげて下さい。

こどもたちは、今しか、あなたと遊んでくれないのですから。

6月 10th, 2009

もうひとつ、ひとりごちてみる。

それにしても、子どもたちに「おはなし」を届けることの大切さは、どうしてこれほどに、先進国では伝わりにくいのだろう、と、いつも思います。

「絵本」や「おはなし」を嫌いな子どもは、いません。もし、嫌いな子がいたとしたら、それは出会っていないだけです。

子どもが「えほん」や「おはなし」と出会うためには、大人の手が必要です。大人が与えなければ、子どもは「えほん」や「おはなし」に出会うことはありません。

そして、子どもの一番身近にいるのは、親です。あなたが読んであげれば、あなたの子どもたちは「おはなし」に出会い、豊かな心や思考力を育み、自らの手で強く生き抜いてゆく強さと、人を慈しみ思いやる優しさを同時に身につけてゆきます。

ついでに、豊かな言葉の力も「おまけ」でついてきます。

「子どもをいい子に育てるコツはただひとつ、毎日、絵本を読んであげることです」

という言葉も、どこかで読んだことがありました。私はこの言葉を真実だと思っています。だけど、たったこれだけのことを受け取ってくれる人の、いかに少ないことか。

もし、あなたが今、子育てで悩んでいるとしたら、試しに毎晩、5分間だけ、子どもたちに絵本を読んであげてみて下さい。一か月、もしかしたら2週間で、確実に何かが変わります。あなたが絵本を読んであげる、その5分間は、どんな教材よりも教育ソフトよりも、子どもたちのこころに響くのですから。

4月 29th, 2009

やっぱり絵本はすごい・「国境を越える風」<日経BPネット>

 

絵本を読んでくれた肉親のぬくもりが カンボジアを支援し続ける原動力に(前編) | ひと・話題 | nikkei BPnet 〈日経BPネット〉.

 

カンボジアで、絵本やお話を通して現地の子どもたちに伝承民話や物語を語り伝える活動をして来たSVA(社団法人シャンティ国際ボランティア会の話です。

絵本の力は、ここにも変化をもたらしています。

4月 8th, 2009

「Nippon」を憂う 「教育費をタダにせよ」:日経ビジネスオンライン

 

このコラムの著者、西野弘氏が東大で講義を行った際、学生たちに

「勉強を楽しいと思っている人」

と問いかけたら、誰一人手を挙げなかったそうです。

 

 

「教育費をタダにせよ」:日経ビジネスオンライン.

 

 

スウェーデンの教育事情を踏まえた上での、日本の教育事情への厳しい提言です。読めば読むほど、日本では「教育」そのものがいかにないがしろにされているかが見えて暗澹たる思いにかられます。

ここで紹介されているスウェーデン方式が、すべて日本に当てはまるとは思いません。特に、人口の差は大きな要素です。900万人しかいない国の小回りの良さや国としての団結力を、1億2千万人の国に求めるのは無理です。それに、そもそも日本には、「団結すること」への根深い抵抗感があります。その一方で、意見の違うものに対する精神的な嫌悪感も相当なものです。

そのどちらもが、先の戦争の後遺症だとしたら、なんと皮肉なことでしょうか。戦後60年を経て、私たちは、無為に右往左往することしか出来ない国民になってしまったのでしょうか。

 

だからこそ、今、教育なのだとは思わないのでしょうか、永田町は。

 

 

 

私は常々、教育こそが世界を変えると思っています。そして「教え育てる」ことの基礎は、幼児期から学童前期に掛けて、家庭と学校施設の両方で育まれるものだ、とも。私はJapanz.Kidzという、子どものための日本語学習グループに参加していますが、このグループも原則親子参加です。親子で参加することに意味がある、と、思っているからです。

「考えることは楽しい」と、人生の早い段階で感じてくれれば、その体験は、その子が一生学び続けるための原動力になるはずです。

そうして、学びたいという意思を強く持った人には、学ぶ場を提供してゆくことで、20年、30年後には「強くかしこく、誇り高いニッポン」が出来上がる、と私は思います。でも、そのことをイメージ出来る政治家が、残念ながら日本には存在しないように見えます。

日本はもしかしたら、自分たちの未来を担う「学びの芽」を、日々、踏みつぶしているのではないでしょうか?

3月 9th, 2009

海外で日本語・実践編 通信教育、する?

「通信教育」

海外で日本語、というと、反射的にこの単語が出てくる方も多いかな、と思います。我が家の一人っ子は、日本の学齢なら小1。去年の4月から通信教育を取り始めました。

とは言っても、現地校の宿題もあるし、低学年のうちからあまり負担になるものはやらせたくない、と思いましたから、この一年は「いちぶんのいち」を使いました。一日一枚のプリントのみ、というシンプルさ。一日のタスクがわかりやすく、自分から机に向かうクセをつけるのに効果的でした。

でも、この量ではちょっと心もとないのも事実。算数の文章題の質には少し疑問もあったので、小2になるこの4月からの通信教育検討のために、あちこちから資料を取り寄せてみました。

我が家の事情としては、

- 経済的にあまり余裕はなく、実家にもあまり頼りたくないので、コストは安いに越したことはない。
- 英語を犠牲にするわけにはいかないので、量も少なめがよい。
- やる気にムラがあるので、「まいにち、すこしずつ」のほうがよい。
- 算数は、計算は現地校でもフォロー出来る。文章題をやらせたい。
- 生活科はあまり重要でないけれど、完全に無視もしたくない。

独断で、我が家の事情にあわせて比較検討した結果、結局また「いちぶんのいち」に落ち着きました。

ただし、来月からは「すきっと」という基礎固めプリント教材も追加。一日二枚になります。
それに、毎日書いている絵日記、
漢字ドリルの「ジャッカ」から、プリントを一日一枚、
寝る前に、何か好きな絵本を一冊、または一部を音読。

これが我が家の日本語の「読み書き」学習のすべてです。Japanz.Kidzでは、当面、読み書きはフォローしないことになっています。

比較検討した通信教育教材と、我が家の独断と偏見による評価を、ご参考までに。あくまで「我が家の事情」に沿っての比較検討ですので、その点にご留意の上お読みくださいね。

進研ゼミ 「しまじろう」の小学生版。子どもをその気にさせる仕掛けやおまけがたっぷり。でも、ちょっとおまけが多すぎて、子どもに媚びている感じがする。

Z会 「考える力」の育成には定評あり。内容の充実度はいちばんだと思った。でも、ウチの息子には難易度が高すぎる。講読費も高い。めちゃめちゃ高い。驚いちゃった。

公文 子どものレベルにあわせて、教科書とは関係なく進められるのは魅力だった。「スモールステップを積み重ねる」という方針も共感出来る。でも、我が家にとっては講読費が高く、量が多すぎる。おまけもいらないと思った。

ポピー 海外への直送をやってくれない。やってくれるなら、ここが最終候補だったかも。

がんばる舎 海外での講読は年間まとめ配送のみ。ただいまキャンペーン中でコスト・パフーマンスはいちばんいいけれど、プリントの内容は「いちぶんのいち」とほぼ同じ。(なんでも、問題のサプライヤーが一緒なのだそうだ)だったら月々届くほうが、息子のモチベーション上げるのには良さそうだ、と思った。

小学はつらつパル 最終的にはここと「いちぶんのいち」で検討した。決め手になったのは、事務局のレスポンスの差。問い合わせメールにすぐ返事をくれる「いちぶんのいち」に対し、「パル」は、内容に関する問い合わせメールに、2週間待っても返事が来なかった。

2月 25th, 2009

海外で日本語・番外編 言葉遊びは絶滅の危機?

今日見つけた記事です。(asahi.comの記事はそのうち流れてしまうから、検索でおいでになった方はリンク切れかもしれません。)

 

asahi.com(朝日新聞社):しりとり歌「いろはにコンペイトウ」を知っていますか? – 関西.

 

そっかそっか、最近の子は知らないのか。

 

「いろはにコンペイトウ」、実は今、まさに「Japanz,Kidz」で歌っています。最近は言葉のリズムにもちょっと注目しているので、こういう唱え歌に近いものを、体を動かしながらやっていきたいなあ、と思って。

 

子どもの頃、唱え歌が好きでいくつも憶えてましたっけ。「いろはにコンペイトウ」に合わせてやる縄跳びくぐり遊びも、小学校の高学年になるまでずいぶん楽しんだものです。そう思うと、あの頃って学校でも家でも、群れて遊んでましたよね。私たちはテレビに子守りをしてもらった第1世代ですが、テレビよりも友だちと遊んだ記憶の方がずっとこころの深いところにしまわれているような気がします。

 

で、上記記事にも全文は出ていないようなのでコチラに。

 

いろはにコンペイトウ

コンペイトウはあまい

あまいはさとう

さとうはしろい

しろいはうさぎ

うさぎははねる

はねるはかえる

かえるはあおい

あおいははっぱ

はっぱはひかる

ひかるはおやじのはげあたま

2月 16th, 2009

海外で日本語・実践編 まずはスタンス 3

「ゆるゆるでいこう!」

が、合い言葉。と「海外で日本語」実践編 まずはスタンス2.で書きました。

けど、でも勘違いしないでね。

 

「ゆるゆるでいこう!」

 

は、

 

「親がラクして子どもに日本語」

 

 

じゃー、ないからね。

 

 

『あなたが子どもに日本語教えなくてどうするの!あなたしかいないのよ!』

 

 

というゴリ押しの指摘は、ふつーの海外在住ママたちには、確かにキツく厳しいお言葉。

 

 

だけど、だけどね、それは真実なんです。

 

 

残念だけど、あなたが頑張ることでしか、子どもたちの日本語は維持できない。

日本語補習校へやろうが家庭教師をつけようが何しようが、あなたが強く願わなければ、子どもたちは日本語を話してくれない。

辛いだろうけれど、このことは認めてください。

そのことを認めてくれないと、次の話が始まらないからです。

 

 

でもね、「頑張る」って、辛く厳しいイバラの道ばかりじゃないと思うんです。

 

楽しく、無理しない程度に、ゆる〜く頑張ることはできるはず。私が目指しているのは、そういう「頑張り」です。

 

この、「ゆる〜く頑張る」という感覚は、海外在住のひとなら、結構、肌感覚で解るんじゃないかなあ。日本とはひと味違った、「楽しく頑張る」って感じ。

 

 

で、次はやっと、「絵本」の話。

2月 11th, 2009

海外で日本語・実践編 まずはスタンス2

以前は、結構文章を練って、一投稿ごとにきちんと完結するように気を配って書いてたんですけど、そういうのは気にしないことにしました。

 

うーん、上手くいえないけど、ブログの場合って、逆に考えすぎたものはそぐわないような気がしてきて。

かる〜く、情報提供。ってなくらいがいいのかな、ってね。

 

で、どうしてそう思うようになったか。

 

 

話はすごく飛ぶんですが。

そもそも、息子を妊娠した時、私はとあるプロジェクトの真っ最中でした。

それは、日本語補習校のドキュメンタリーの制作。

という訳で、海外で子どもに日本語をしゃべらせることのハードルの高さは、たくさんの経験者や専門家のお話を仕事として聞いて、ある程度解ってたんですよ。それは確実に、子育ての上で+に働いたと思います。

 

 

だから、やっぱり情報って大切だと思う。

 

でも、そう思う反面、「バイリンガル教育」とか「継承語教育」とかに関する情報って、なんか、な〜んか、な〜〜〜〜んか、もんのすごく、プレッシャーがキツい。親をどこまでも追いつめる。

 

バイリンガルにするにはこ〜〜〜んなに頑張らなきゃ!

子どもに日本語教えられるのはあなたしかいないのよ!

あなたが「きちんと」やらないでどうするの!

やらなきゃこんなに怖いことが待ってるわよ!(親と会話出来なくなるとか、アイデンティティ見失うとか、どっちの言葉も中途半端になっていくとか)

 

 

さあ、頑張って!!!!

 

 


・・ってタイプの情報ばかりがおおくて、なんか、なんか息苦しい。

 

そんなに頑張りたくないひとだって、きっといると思う。頑張りたくないけど、だからぜいたくな結果は求めないけど、だけどなにか、ほんのちょっとでもいいから子どものこころに「日本語」とか「日本」を残してあげたい、って思ってるような、そんなふつーの、海外在住ママたち。

 

なのに、バイリンガル教育の参考書はどれもこれも「専門書」レベルで、お母さんたちが気軽に手に取れるような「実用書」がない。

 

「研究」や「観察」をしてるひとが多くて、それも知性のあるひとが多くて、脅すような情報こそあれ、励まし、寄り添うような情報が極端に少ない。

 

 

なんか、「ゆる〜く」バイリンガルを目指す。っていうのは、許されない、どころか

 

 

「そんなのありえないでしょー」

 

 

的な空気があって、それが、すっごく重たいんだよねー。ふつーの、おかーさんたちにはね。

 

そういう空気に耐えられる人でないと、目指しちゃ行けないのかな。子どもと日本語。

 

 

楽しくやってく、って、出来ないのかな。

 

 

だからココでは、「ゆるゆるでいこう!」を合い言葉にしたいと思います。

 

 

「読み聞かせ」とか「絵本」に注目したのも、実はこの辺の葛藤があったから。

それは、次回に。

2月 11th, 2009

海外で日本語・実践編 まずはスタンス 1

うちの息子は、現地校へ入って二年半。未だに日本語の方が強い。

まあ、彼は将来、ニュージーランドで暮らしてゆく確率が高いので、いつまでも英語が下手ってのも困りもんだが、いずれにしても日本語は押さえておきたいなあ、というのが私の希望だった。バイリンガル、という選択肢にこだわったわけではないけれど、両方の国のことをきちんと、こころの芯で受け止めてゆける人間になって欲しかった。彼が大人になる頃には、そういう人材が必要な社会になっているだろうと思った。

だって、あの日本でさえ、こんな方針を打ち出しているのだもの。

海外移住審議会意見 海外日系人社会との協力に関する今後の政策.

で、人材育成(子育て、ともいう)とは将来の国の人的資源を形成する仕事な訳で、本来どこの国でも最重要課題のひとつになることなんだけど。

どぉ〜も、政治の中心にいる人たち(特にニッポン)は、その辺の感覚が鈍いんだよねえ。

でも、それを嘆いても仕方ないので、せめてなんか出来ないかな、英語も日本語も、話せて読めて書ける人材を一名、20年計画で育てるために、と考えてまず行き着いたのが、読み聞かせ、だったわけ。

今日は時間がないので、ここまで。

2月 10th, 2009

「海外で日本語」に役立つサイト其の参 Livro Katsurao

 

続いてこちら。↓

 

田舎の小さな古本屋 Livro Katsurao です.

 

Livro Katsuraoさんは、子供の本専門店ではありません。

 

ですが、コチラのラインナップ、めっちゃくちゃ私好みなんです。ご店主のお人柄がしのばれるラインナップですね、ホント。

 

こちらも、取り置きと印刷物扱い船便での発送に快くご対応下さいました。このときには、子供の本ばかりでなく、以前から読みたかった読み聞かせや児童心理の本も手に入れることが出来て、個人的には満足度120%!という買い物が出来たところです。