Category: 絵本

12月 27th, 2009

「りんごのきの本棚」更新しました。

設置したはいいけれど、ずっと放りっぱなしになっていた「りんごのきの本棚」、やっと少しだけ更新しました。お勧めの絵本を年齢別に分けて表示してあります。トップページ上部の「タズマン子ども文庫りんごのき」にカーソルを合わせると、本棚ページへのリンクが表示されます。

本の画像をクリックすると、Web本棚サービス ブクログ の紹介ページへとびます。いろんなレビューが読めますよ。

4月 7th, 2009

生活の現実感を取り戻そう;日経トップリーダーonline「ニュースのツボ」

 

 

日経トップリーダーonline: ニュースのツボ

.

 

辰巳渚氏のコラム。彼女は、現代社会に蔓延している、とらえどころのない現実感のなさを言葉にしようとしてくれるひとです。

うさぎの島 (ほるぷ海外秀作絵本)」という絵本があります。イエルク・シュタイナー(文)、イエルク・ミュラー(絵)、二人ともスイスの作家です。

うさぎ工場を抜け出す、二匹のうさぎの物語です。工場のうさぎたちは、自分たちがどこにいるのか知りません。毎日毎日、おりのなかで、コンベアベルトで運ばれてくるエサを食べているだけの日々。小さなうさぎが連れて来られ、太ったうさぎは連れて行かれます。その日常に、なんの疑問も抱かない日々。

連れて来られたばかりの小さな茶色うさぎと、長く工場で暮らしてきた灰色うさぎは、一緒に工場を脱走します。しかし、外の自由を謳歌する茶色うさぎに比べ、灰色うさぎにとって、外の世界は恐ろしいことばかり。

私はときどき、自分は本当は「うさぎ工場」にいるのではないか、と思ってしまうことがあります。生活に、あまりにも現実感が失われていることを感じるとき。ここは本当に、現実なのだろうか、と、思ってしまうことがあるのです。

いわれのない不安。
なんとかなる、と思えないような弱々しい自己。
霧に巻かれているような、本当のことを何も知らされていないような感じ。

辰巳渚氏のコラムを読んでいると、でも、目の前の霧が少しずつ晴れてゆくような気分になります。私はまだ「灰色うさぎ」じゃないな、と、信じられるのです。

3月 6th, 2009

海外で日本語・お知らせ 「りんごのきの本棚」ちょっとだけ公開

実はこのブログ、密かな隠しページがあります。

「りんごのきの本棚」が、それ。トップで一応表示されるから、「隠し」って言わないのかな。

このページは、バーチャル「りんごのき」にしたいな、と思っています。

仮想本棚を設置して、すこしずつ、お薦め絵本を入れてゆきたいと思っているのです。・・・が、まったくもう、でんでんむしの歩みで・・・。

でもね、野望としてあるのですよ。
それが、

「海外で子育てする人の参考になるようなブックリスト作り」です。

日本では、ちょっと探せばいろいろなブックリストが出て来ます。日本の本屋さんで海外発送してくれるところも増えたし、勝手に選んで送ってくれる絵本の頒布会のようなものも、色々あります。

でもねえ。ニーズが違うな・・・って思うところもあって。

海外で求められるのは、

○ 長く楽しめる、そのためには上質であること
○ 正しい日本語で書かれている
○ 日本の生活や文化を反映している
○ 言葉遊びやリズム遊びに発展させやすい
○ 親子ともに親しみが持て、とっつきやすい

というような絵本。

私は、絵本に関しては古典派です。長く読み継がれて来たものが好き。でも、古典絵本って大体がアメリカかイギリスのもの。日本の生活や文化を伝えるためにも絵本を活用しようと思ったら、やっぱり古典ものだけじゃ、ダメなんですよね。いまこそ旬、というような日本の絵本もないと。

また、ある年齢以上の子どもたちには、日本語に対する苦手意識があることも多いので、漢字が多いものや字数の多いもの、厚みのあるものなどは、見た目で敬遠されます。そういう本は、どんなに内容がよくても日本に住んでいる子より導入時期を遅らせる、などの配慮もいります。

学齢期以降の子には、薄くてあまり量のない、でもお話自体はしっかりしているむかしばなしなどが、比較的好まれる傾向があります。

例えばそういうノウハウを蓄積出来たらいいなあ、なんてね。

ま、10年計画で行きましょう。とりあえずの本棚には、まだ11冊しか入ってないけどね。

2月 10th, 2009

「海外で日本語」に役立つサイト其の参 Livro Katsurao

 

続いてこちら。↓

 

田舎の小さな古本屋 Livro Katsurao です.

 

Livro Katsuraoさんは、子供の本専門店ではありません。

 

ですが、コチラのラインナップ、めっちゃくちゃ私好みなんです。ご店主のお人柄がしのばれるラインナップですね、ホント。

 

こちらも、取り置きと印刷物扱い船便での発送に快くご対応下さいました。このときには、子供の本ばかりでなく、以前から読みたかった読み聞かせや児童心理の本も手に入れることが出来て、個人的には満足度120%!という買い物が出来たところです。

2月 10th, 2009

「海外で日本語」に役立つサイト其の弐・絵本古本マーケットはっぴぃ

学術的裏付けはありませんが、ごくごく個人的な経験を総合した結果、海外での日本語維持について最も効果的なのは、

 

読み聞かせ

音読

日記

 

じゃないかなー、と思っています。もちろんこれはあくまで「仮説」。今後、この仮説の裏付けを進めて行きたいと思っているところ。

 

この中で、一番最初に始めるのは、「読み聞かせ」です。

 

とにかく、人間の言語活動ってのは何はともあれ『聞く』ことから始まるわけですよ。どんな場合でも、たいていはね。だから将来、どんな形のバイリンガルを目指すにせよ、聞く力(聴解力)を伸ばしておいて損はないはず、と勝手に思ってるわけです、私は。

 

加えて、読み聞かせには『子どもの心を育てる』『親子で楽しめる』という無視できない効果も、ついてくるわけです。

 

でも、読み聞かせにはまずそのためのマテリアルつまり

 

「絵本」

 

が必要。

 

そこで、自称『読み聞かせマニア』『絵本マニア』の私が常日頃から利用させて頂いているサイトも、少しずつご紹介してゆきたいと思います。

 

まずは、コチラ↓

絶版絵本・おすすめ絵本 絵本古本マーケットはっぴぃ.

 

絵本専門のネット古本屋さんとしては古株です。ネット古本屋さんの利点は、融通が利くこと。取り置きや船便発送など、買う側の『一冊当たりのコスト』を下げるために、いろいろ協力していただけるのが、何よりありがたいです。

 

日本帰国時にまとめ買いすればいいや。といっても、他にも持って帰りたいものが沢山あるし。本は重いから、手荷物で持ってゆくとどうせ制限重量からはみ出します。ここは、「印刷物扱いの船便」5キロで2700円、を使う方が実際、賢いと思います。古本屋さんから直送してもらえるなら、買いに行く手間や交通費もかかりません。「はっぴい」さんは個人運営ながら、品揃えが豊富です。

 

自宅受け取りの方の場合、配達の際に留守にしていると、ドアの前にぽこっと置いて行かれてしまうので、局留めでの発送、などにしてもらうのも手かもしれませんね。

6月 4th, 2008

2008年5月29日 Japanz.kidz

さて、Japanz.Kidzの日。最近のjapanz.Kidzは、プリント学習のレベルが上がってきて、以前のように何枚も一度に済ませられる子は減ってきました。

今日は最年長のKrちゃんのプリント学習につきました。日本なら小学五年生、年齢的に読み書きのレベルはそこそこあるけれど、やっぱり漢字や語彙に弱さが目立ちます。彼女の場合は、小学校1年生の1学期まで日本にいたのと、4年生の2学期に日本に帰っていたので、その貯金で何とか持っています。

今日のプリント。「歌手」「船」「池」が読めません。「野山」も読めなかったけれど、これは文脈から推測して「のはら」と答えました。うんうん、いいセン行ってるよ。こういうときには褒めなくちゃ。

「船」「池」は、ヒントをだしたら読めました。「歌手」は、どうしても読めません。そもそも、「かしゅ」という言葉自体を知らないから、ヒントをだしてもわからないのです。英語で「Singerだよ」と言えば理解はするけれども、それでは「歌手」という語彙は獲得できない。

漢和辞典をだすけれども、そもそも読めないから「読み」では調べられません。画数なら、何とか。そこで画数さくいんから「歌」を探します。あった。『歌手』かしゅ、やっと読めた。この一つの語彙を獲得するのに彼女が費やしたのは、15分。

週一回、1時間半の中で、たったひとつの語彙を獲得するためにその6分の1の時間を費やす。それってあまりにも効率が悪いんでは?とも思えて来ます。でも、Krちゃんは今日、漢和辞典の使い方をも学んだはず。こういうささやかな努力の積み重ねがが突破口になると信じたいのです。

私がこうやって、子どもたちの現状をここに書き連ねることには、もしかしたら仲間たちには賛成していただけないかもしれません。でも、私は本当の姿を書いてゆきたいと思う。以前、日本語補習校のドキュメンタリーを作った際、被写体である子どもたちの日本語を聞いた編集現場の先輩が、

「しかし、これだけ話せないと、ショックだねえ」

とつぶやきました。私には、この言葉の方が、ショックでした。

日本人の顔、日本人の名前を持っていながら日本語がきちんと話せない。そのことが、周囲に偏見を呼ぶ。偏見が生まれる現場に立ち会ってしまった、と思いました。

Krちゃんの日本語が弱いのは、決して彼女のせいではないし、彼女の家族のせいではない。自然なんです。それが、海外に住む家族の現実なんです。それだけのことを解ってくれる人が、日本にどれほどいるのでしょうか。子どもたちを偏見から守るために、私は発信したいのです。

と、固い話はこのくらいにしましょう。

読み聞かせです。

おなまえのうた(うたあそび)
三びきのこぶた―イギリス昔話 (こどものとも傑作集)(絵本)
しりとりうた(うたあそび)
さよならあんころもち(わらべうた)

「さんびきのこぶた」、下にアマゾンのレビュー付きで画像を紹介してみます。カスタマー評価の高い本ですね。確かに、山田三郎さんの絵は格調高く、瀬田貞二さんの手によるテキストも、美しい正統派の日本語です。私も好んで息子に読んでやっていました。

けれど以前、『母の友』の絵本講座の中で、内田伸子さんがこの本を取り上げていたことがあります。内田さんによると、この本は絵と物語のバランスが良くないらしいのです。子どもたちの前で読んでみて、なるほど、と思いました。絵の量が、圧倒的に少ない。一ページに押し込まれているテキストの量は、本来なら2枚、3枚の絵で表現すべき量。というか、本来そういう流れになるべきです。

テキストと絵にずれがあるから、大段落ごとに来る小さな山場がテキストより先に絵でネタバレしてしまい、子どもの気持ちが盛り上がってきません。結果として最後に狼が鍋に落とされて死んでしまう場面で、その残酷さばかりが印象に残ってしまいます。そこまでの段階で、狼のずる賢さが印象に残らないのです。だから子どもたちが「ああ良かった」という気持ちになれず、複雑な顔をしていました。ちょっと失敗した、と思ってしまいました。

以前映像編集の仕事をしていた時にもよくあったけれど、絵と言葉のマッチングってものすごく大事。内田さんはこの本に結構、辛口のコメントを残していたと思うけれど、まさに内田さんの言うとおりだ、と思わされました。事実、5歳のEちゃんはすこし混乱し、最後までついて来れませんでした。

質の良い絵、質の良い文章でまとめられた本でも、そのまとめ方次第で、子どもたちへのアピールが変わってくる。いい勉強になりました。

三びきのこぶた―イギリス昔話 (こどものとも傑作集)
瀬田 貞二 山田 三郎
福音館書店
売り上げランキング: 69024
おすすめ度の平均: 5.0

5 名作は本物を
5 現実は、かようなものか
5 これなら納得
5 狼を食べてしまう・・・・

5月 23rd, 2008

2008年5月22日、Japanz.Kidz

 毎週木曜日は、日本語学習会Japanz.Kidzの日。これは、日本語を話す子どもたちのための日本語維持教室で、親が自助努力でやっています。つまり、先生はいないってこと。親子参加が原則で、親はそれぞれ、自分の子ではない子について1対1で教えます。

 現在の参加者は5歳から10歳まで、6人。遊び、プリント学習、歌や体験学習、読み聞かせと本の貸し出し、というのが毎回の一連の流れです。1時間半の中でこれだけこなすのはいつも結構大変ですが、女の子が多いせいもあってか、なんとなく落ち着いた雰囲気のなかで進んでいます。

 で、昨日のプリント学習で、私は9歳のEちゃんにつきました。お父さんはニュージーランド人だから家庭内は英語。お母さんとだけ日本語で話してきたEちゃんの語彙は、正直なところ、とても少ないような気がします。そこで、今、語彙強化を目標に、そういうプリントをこなしています。

 「たい」で始まる語彙、「しゃ」で終わる語彙を集める問題。「たいこ」と「たいよう」がわからない、Eちゃん。「たいそう」「タイヤ」は出てきました。「たいこ」と答える問題に付されている絵は、和太鼓。Eちゃんは、和太鼓を見たことがないので、わからないのです。これが、洋風の太鼓の絵だったら、もしかしたら出てきていたかもしれません。
 「たいよう」という言葉は、実は、案外家庭内では使わないんですね。家庭内では「おひさま」のほうが一般的。一方で「たいそう」は、例えば日本の子ども番組をビデオやDVDなどで見ていれば獲得できます。「タイヤ」は、車社会のニュージーランドではとてもよく使うし、元々英語から来た言葉ですから、子どもたちにも馴染みやすいのでしょう。だけど「じどうしゃ」はわからない。家庭では「くるま」で済むからです。

 家庭内で使う語彙っていうのは、思いの外限られています。結局のところ、語彙も読解力も基本はインプットなのだなあ、と、Eちゃんの語彙を見ていて思いました。

 この日はプリント学習のあと、新聞紙で兜を折ってみました。「正方形」「折り筋に沿って」「角と角を合わせて折り上げる」なんていう、日常生活ではまず使わない語彙や言い回しを意識して、折りの説明をしてみました。ついこの間、同じことを英語でもやりましたけれど、意外や意外、『折り』の説明って英語の方が、実は的確に表現できたりするんです。例えば、折り重ねたときに、その重なった折りの中の一枚を表現するとき。日本語には、その一枚を的確に表現する言葉は、少なくとも日常語彙の中にはありません。ところが英語だと「flap」といえば一発で通じる。折り重ねた紙の間の隙間のことも、「pocket」といえば簡単です。日本語でよく「巻くように折る」と表現される折り上げ方は「roll up」と言えば、(正確さはともかく)小さい子でも間違えません。この辺に、英語の合理性が現れてるなあ、と思いました。

 毎度のことだけれど、こういう楽しいアクティビティをやった日は、読み聞かせの時間が押せ押せになります。3冊用意していたところを1冊にしました。

おなまえのうた(うたあそび)
くんちゃんはおおいそがし(絵本)
さよならあんころもち(わらべうた)

くんちゃんはおおいそがし」は、ドロシー・マリノの『くんちゃんシリーズ』の一冊。くんちゃんシリーズは、くまのくんちゃんの日常を何気なく描いた、物静かな、じんわりとした暖かさに満ちた本です。劇的なことが何も起こらないのが、いいんです。一冊ごとの季節感が大切にされているのも、いい。絵本にエンターテイメント性を求める方には不評なことが多いんですけど、こういう絵本は、子ども時代のある時期、絶対に必要だとわたしは信じます。くんちゃんの「ありふれた1日」を自分の日常と重ね、ささやかなことを感じ取るための感受性のを、こういう本は育ててくれると思います。

わらべうたや手遊びは、日本語のリズムを意識させる効果が大きいので、なるべくたくさん取り入れてゆきたいんだけど、なかなか・・・。私にもほかのメンバーにも、自己研鑽の場が皆無です。7月に日本に一時帰国したら、また図書館通いをしなくては。

5月 13th, 2008

Japanz.Kidz 2008年5月8日

本日の日本語学習会Japanz.Kidzは、ホリデー中の宿題の発表。先々週の「お店やさんごっこ」で自分が売った商品の流通経路や特徴を調べ、チャートやポスターにして来ました。難しい課題だったにも関わらず、みんなしっかりやって来てくれて、とても嬉しかったです。お母さんたちの手助けも、きっと大変だったことでしょう。私の勉強不足で、実際の学年レベルよりずっと上のレベルの宿題を出されてしまった7歳のKちゃんとお母さん、ご苦労様でした・・次から気をつけます。

ところが私は大ぽか。せっかく仕上げた息子の宿題を家に忘れてきてしまいました。

以前、日本に滞在中、読み聞かせボランティアで私が読むのを、息子がいやがったことがありました。自分の為に読んでくれてない、と言って。それ以来、息子のことをないがしろにしないよう気をつけているのですが、ちょっといろんなことが重なってオーバーフローすると、こういうことになってしまいます。ごめんね、息子。

時間が無くなってしまったので、読み聞かせは短縮バーション。

めがねみち とんびまさお(詩の朗読ー「のはらうた 2」より)
どれがぼくのおうちになるのかな」(読み聞かせ)
てぶくろ―ウクライナ民話 (世界傑作絵本シリーズ―ロシアの絵本)」(読み聞かせ)
さよならあんころもち(わらべうた)

のはらうた 2―くどうなおことのはらみんな (2) てぶくろ―ウクライナ民話 (世界傑作絵本シリーズ―ロシアの絵本)

冒頭の「おなまえのうた」を省いたら、Kちゃんから「ねえ今日は、うたやらないの?」と疑問の声。そうなんだよね。ルーティーンとして出来上がっているものを崩すと、場の安定感が無くなるよね。Japanz.Kidzもメンバーが固定して来たので、ついつい大事なところを見失いがち。時間管理も実力のうち、もう少し頑張らないとね。

「てぶくろ」は、ちょうど一年ほど前、この会が始まったばかりの頃に一度読んだことがあります。あの当時は、日本語力の弱さが気になっていたので、なるべく解りやすいものを選んで読んでいたっけ。ところが、ほぼ全員がそのことを覚えていたのには驚きました。

この本も、年代を問わず子どもの「食いつき」がよい本です。まあこういう表現がいいかどうか解らないけれど、子どもたちがほぼ間違いなく、楽しんで聞いてくれます。最近は、なるべくすこしグレードの高いものを選ぶようにしていたけれども、たまにはこういう本に帰るのもいいですね。最年少Eちゃんの妹Lちゃん4歳が、ニコニコしながら聞いてくれたのは、ちょっと嬉しかったな。

読み聞かせの最後はいつも「さよならあんころもち」をやるんだけど、結構大きくなっても、Japannz,Kidzの子どもたちはこれを楽しみにしてるみたい。今日は、最年長のKちゃん10歳が、「ちいさなありんこのあんころもち」を一つずつ丁寧に丸める真似をしていました。

ニュージーランドで育つ子どもたちのこういうところが、私はすごく好きです。なんだかすれていなくて、子どもらしく、子どもにしか楽しめないことを存分に楽しんでいる。日本の子どもたちだったら、10歳にもなれば、手遊びなんて、子どもっぽくて馬鹿らしくてやってられない、って思うんじゃないかなあ。どうかしら?

5月 13th, 2008

読み聞かせ会報告 2008年5月4日こどもの日

この日は、久しぶりに凍えるような寒い日でした。
南半球は晩秋。ニュージーランドはこれから冬に向かいます。

そんな中、頼まれて野外での読み聞かせをやって来ました。
私の住んでいるところから一番近い都市、ネルソンは、京都の宮津市と姉妹都市。毎年「こどもの日」近辺の日曜日に、「ネルソン宮津市姉妹都市協会」さんがイベントを開きます。

ネルソン市街地にある「Modeling Pond」が、その会場です。ここは海水を引き込んで作った人口の小さい池ですが、模型機関車愛好協会の人たちの手で、50年も前から池の周囲に模型機関車の線路が敷かれています。日曜日の午後には、一回一ドルで、機関車に乗せてくれます。「ネルソン宮津市姉妹都市協会」さんは、日本にゆかりのある子どもたちをこの機関車に招待してくれるんです。

去年は、20人くらいの子どもたちが楽しんでくれました。でも今年は寒かったせいで、関係者の子どもたち数名。日本語を解する子は、息子を含めて3人、というちょっと寂しい状況でした。

ぽぽぽぽぽ (偕成社の五味太郎絵本) いたずらきかんしゃちゅうちゅう (世界傑作絵本シリーズ―アメリカの絵本)

その中で、「ぽぽぽぽぽ (偕成社の五味太郎絵本)」「でんしゃはうたう(ちいさなかがくのとも)」「いたずらきかんしゃちゅうちゅう (世界傑作絵本シリーズ―アメリカの絵本)」を読みました。最初の二冊は、日本語のわからない子でも楽しめるように選んだもの。「でんしゃはうたう」の作者三宮麻由子さんは、4歳で視力を失った、盲目のエッセイストです。

彼女の絵本は、「おと」で構成されています。彼女の豊かなことばと聴力でとらえた「おと」は、かろやかでリズミカルで、楽しい。私たちが普段聞き逃している音の、ほんとうの細やかさを伝えてくれます。

「でんしゃはうたう」は、日本語を解さない子たちでも楽しそうに聞いてくれました。三宮さんの世界は、ボーダーレスです。

三宮麻由子さんの公式HPはコチラ。
三宮麻由子の箸休め

6月 23rd, 2007

読み聞かせin Nelson 2007年6月19,20日

 19日(水)「日本語キッズ」にて。参加者は4歳1名、3歳2名、2歳4名、ゼロ歳5名。5歳になったEちゃんが学校に上がって、来られなくなりました。

 どこでしょうのうた(うたあそび)
 ゆきのひのうさこちゃん(絵本)
 きつねがかぜひいた(手遊び)
 こんこん きつねがね(手遊び)
 よかったねねずみさん(絵本)
 小さな庭(てあそび)

ねずみのいえさがし ねずみのともだちさがし よかったねねずみさん

 「ねずみのほん」3冊シリーズの最後です。この本、これ以前の2冊の内容がわかっていないと、たぶんあまり面白くないと思います。シリーズ物を読むには、このグループはちょっと年齢層が低いかなあ、なんて思ったりもしたのですが、3歳のHくん、4歳のYくんあたり、いい感じの表情で聞いてくれていました。
 この本は、個人的にはごく初歩の『食事』の本だと思っています。1冊目、2冊目の中にそれぞれ起承転結があり、3冊目はその前の2冊を起、承、とした転と結の物語。ブルーナのシリーズなどに通じる、シンプルな「おはなし」です。読み手が感情移入する余地があり、次に起こることが予想どおりに行かない『転』の場面ですこしドキドキし、最後は「よかったね」、と終わる。「おはなし」とは、小さい子供でも楽しむことができる文学的要素を持ったものです。
 この本、アマゾンでのレビューはあまり良くないようですね。でも、こういうシンプルな、ある意味型にはまっている(と、大人には思える)ものを沢山味わうのは、私は大切だと思っています。大人にとってこういう本がなんだか退屈に思えるのは、そこまでの人生で沢山沢山、こういうパターンの物語に出会ってきているからです。でも、子供たちにとっては、これが最初に出会う物語かもしれない。ピアノの練習だって、右手のドレミから始まるのです。はじめから複雑な物語を聞いて楽しむことは出来ない、と私は思います。

 さて、翌20日(木)は、「Japanz.Kidz」で。時間が押せ押せになってしまったので一冊落としました。

 おなまえのうた(うた遊び)
 そばだんご(手遊び)
 ももたろう(絵本)
 さよならあんころもち(手遊び)

 ももたろう

 うーん。書きにくいのですが、「ももたろう」は、このグループにはちょっと早かったかもしれません。昔ばなしの中には聞き慣れない言葉が沢山出てくるので、ある程度日本語の文章や語彙に慣れ、わからない言葉が出てきても、前後の文脈からその言葉の意味がある程度(例えば「これは食べ物だろうな」とか、「何か運ぶためのものだろうな」ぐらいには)推測出来るようになった時期でないと、なかなか楽しめないのです。そういう意味では、まだ少し、語彙不足だったかもしれません。子供たちの集中が、明らかに乱れていました。

 語彙力と年齢のギャップを埋め、言葉をしっかり理解しながら内容にも満足してもらうためには、どういう本がいいのか。これもまた、勉強です。

 勉強と言えば、「絵本論—瀬田貞二子どもの本評論集」をやっと手に入れ(アマゾンの中古市場で一年以上待ちました・・だって高いんだもん)、読んでいます。その中に、ニュージーランドのドロシー・ホワイトさんという方が書いた、「子どもの本について(About Books for Children)」という本の一文が紹介されていました。引用します。

 絵本は、子どもが最初に出あう本です。長い読書生活を通じてひとの読む本のうちで、いちばん大切な本です。その子が絵本のなかで見つけだす楽しみの量によって、生涯本好きになるかどうか決まるでしょうから。またそのときの感銘が、大人になってそのひとの想像力をことあるごとに刺激するでしょう。だから、絵本こそ、力をつくして、もっとも美しい本にしなければなりません。

 私は、この一文には全面的に賛同します。だからこそ、本物と出会うことを大切にしたいのです。この本の初版は1949年だそうで、こういう提言が、半世紀も前のニュージーランドから出ていたことが、とても嬉しく思えました。